マンション管理界隈に従事する人、特に管理会社のフロント担当者に多い言動のなかで「ものすごく気持ち悪い」かつ「時間の無駄」で「自らの生産性を下げるだけの」発言に
「〜してよろしいでしょうか?」
というのがあります。
管理組合の理事長や理事の方へ「〜してもよろしいでしょうか?」みたいな「お伺い」の一言です。
しかも、だれがどうみてもNOの回答がなさそうな簡単なことに対して「〜してもよろしいでしょうか?」という人、かなり多いです。
- 明らかに「NO」という回答がないようなやりとりに「〜してもよろしいでしょうか?」
- お客様に明確な答えがなさそうなときに「〜してもよろしいでしょうか?」
- お客様がマンション管理のプロにリードしてもらいたいときに「〜してもよろしいでしょうか?」
- お客様に「Yes・No」を言う権限もない内容に「〜してもよろしいでしょうか?」
- メール文章でも、リアル対面の場でも「〜してもよろしいでしょうか?」
このセリフ、「〜しても良いですね」「〜させて頂きますね」とこちらに主導権を持った語尾で良いことがほとんどです。
あえてお客様に意見を言う「受動的な余地」を提供したいなら「特段の意見がなければ〜させて頂きます」で十分丁寧です。
■なぜ管理会社フロントマンは「〜してもよろしいでしょうか?」と発するのか?
理由と対応策はこんなところでしょうか。- 間違った(行き過ぎた)丁寧語として使っている
→なんでもお伺いを立てれば良いわけではありません。慇懃無礼というものです。 - へりくだり過ぎている
→へりくだればへりくだるほど、自然と「卑屈」が身につきます。また相手は、こちらがへりくだる程に「偉くなった気分」になって、時にはいじめたくなります。 - 自分に自信がない
→他に選択肢があるかもしれないのに自分の調べが足りないから。他に選択肢がない状態まで調べれば、自ずと一択になるはず。 - 口癖でつい
→絶対に辞めたほうが良いです。
どう考えても「NO」が返ってこないような内容にまで「〜してもよろしいでしょうか?」は絶対にやめたほうが良いです。
■総会で「採決を取ってよろしいでしょうか?」が無駄な時間と空気を作り出す
ほとんど質問がないのに(または質疑回答が出尽くしたのに)、シーンと静まり返った場に耐えられず「採決を取ってもよろしいでしょうか?」というと、同じく静寂に耐えられない(または全く質問がないことに耐えられない)組合員から、変な質問が出てきて、不必要に時間を消費したり、質問に対する回答がまずかったりすると変な雰囲気になっていくこと、よくあります。
■「お伺いトーク」は百害あって一利なし
無意識のうちに「〜してもよろしいでしょうか?」を使い続けると、潜在意識の中に卑屈さが染み込みます。卑屈さが自信のなさにつながり、自信のなさが一層卑屈にさせます。
また、ほとんどNoの余地がないのに「〜してもよろしいでしょうか?」と聞かれると、人によって「わざわざ確認を求めてくるとはなにか問題があるのか?」と深読みして変な質問が返ってきて、その回答でやり取り一往復が無駄になったり、つい意地悪的にNoを言われ、変な(無駄な)議論に発展します。
■お客様をリードしよう
言葉一つ、語尾一つでお客様の受け取りは変わります。
上述の「理由と対策」のとおり、勇気を出して試してみて下さい。
「〜しても良いですね」「〜させて頂きますね」と。
あなたが管理会社のフロント担当者だったとしても、またちょっと自信のないマンション管理士だったとしても、あなたにはお客様をリードする権利があり、自信を持つチャンスが有り、お客様の大切な時間を無駄にさせないよう努力する義務があります。
深山 州(みやま しゅう)
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