に書いたのと近いけれど、メルすみごこち事務所に所属するマンション管理士に、事あるごとに言っている。
それでもなかなかすぐには定着しないので、しつこく何度でも言う。


マンション管理士の仕事マンション管理士をやりたかったら、大前研一さんのこれ。
必要なのは「マンション管理士の資格=知識」じゃない。
傘を持っていきなさいって言えるかどうかだ。

「社長」を「理事長」に置き換えて読んでほしい。

ーーここからーー

自分が社長だったらどうするか
(略)
コンサルタントの仕事は、組織の内側からは見えてこない、気づかない課題に対して具体的な解決策を提示することである。

誰の目にも明らかな問題点を羅列するのはダメコン(ダメなコンサルタント)の仕事で、そういうコンサルに限って問題点を逆読みしただけの策を提示してくる。データの表面をなぞった結果を報告するのが仕事と思っているガキコン(幼稚なコンサルタント)もいる。

しかし、経営トップがコンサルタントに求めるのは「今日の降水確率は30%」というような“気象予報”ではない。膨大なデータから導き出してきたシャープな結論である。「傘を持っていきなさい」「傘は持っていかなくても大丈夫」という、問題を解決するために必要な具体的な提言だ。

私のコンサルティングの基本は「自分が社長だったらどうするか」である。
(略)
そして自分が経営トップならどう対処するかを客観的に判断して、具体的でわかりやすい提言を1つにまとめていく。

そうやって経営者にアドバイスすれば、私も経営者もお互い“悔い”が残らない。結果として、そのアドバイスが間違っていたとしても、「あなたは本当に私のために、私に代わっていろいろ考えてくれた。私もそれに基づいて決断した」と相手側も納得してくれるからだ。極端に言えば、「私が社長の立場なら、今すぐ辞めますね」とアドバイスすることもある。逆にそこまで言えるのは、常に相手の立場で考えているからだ。

ーーここまでーー

管理組合の場合、社長にあたる理事長は決断すらできない人も一定数いることを考えれば、「傘は持っていかなくて大丈夫」だけでも足りなくて「傘は置いて出かけなさい」と強く背中を押すことも時には必要だ。

そして、理事長に傘を持たせずに雨が降ったら、自ら傘を指して理事長を濡れないようにする(リスクテイクする)という覚悟とセットだ。

これができない人=自分のリスク回避(保身)が抜けないか、助言が間違ったときに契約を切られるのが怖いか。

これができなくて「マンション管理士は大変」「飯が食えない」とか言ってもらいたくない。
僕は直言しすぎる&口が悪くて嫌われるけど、それはそれで全然よし。



深山 州(みやま しゅう)
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