マンション管理コンサルタントの深山です。
先日のブログ記事
大阪都構想とマンション理事長代行(第三者管理)
で、当社がマンションの代表(理事長代行)として、管理者管理(第三者管理)を実現しているお話と、その想いを話しました。
先週末も東京都区部の投資マンション理事会から、理事長代行業務の内定を頂きました。単に理事長の名前貸しをする気はまったくなく、攻めのマンション管理を行うポリシーと、他マンションでの実例紹介がご評価につながりました。
当社が理事長を代行させていただく以上は、各部屋の賃料収入と入居率向上を目標に掲げて支援させていただきます。もう少し経験を積んだら、数字目標も掲げたいと考えています。
なんてったって、当社の管理者管理は[日産にカルロスゴーンが来てV字回復]を目指しています!
さてこの[理事長代行]、マンション住民の高齢化や賃貸化が進む管理組合・投資マンションやリゾートマンションのような[そもそも理組合員の多くがマンションに住んでいない]ような管理組合を想定し、ここのところ国土交通省が「管理者管理制度」(第三者管理、というほうが伝わりやすいかも)として検討・一般化を進めています。
そもそも理事長代行制度は、住民(組合員)が主体で住民が物事を決めるプロセスをやめ、執行部(理事長)そのものを外注する、新しい仕組み、と言えます。
そして、大切なことは、この[理事長の委託先]として、誰ができるのか?誰が適任か?という議論があります。
実はこの理事長代行制度、新しい仕組み、と書きましたが、ずいぶん前から「管理会社」が行っています。
ずいぶん前って、20年以上前からです!
投資マンションを中心に、投資目的(賃料収入や節税を目的)でマンションを購入した区分所有者は、そのほとんどが買ったマンションに居住しません。家賃が安定的に入ってくれば良い、と考え、特に建物が新しいうちは「管理」や「運営」「修繕」などにまったく興味・関心を示しません。
しかも投資マンションの購入者は全国に散らばっています。何しろ電話営業で物件を見たこともない、という購入者が多いのが投資ワンルームマンションの買い方です。全国各地に点在する購入者が東京の投資マンションに集まって理事会を開催する、なんてことは非現実的です。
そんな「買い手の状況」もあり、新築時から機能しない管理組合であることを前提に、不動産開発会社は管理会社と相談して、はじめから管理会社が理事長代行になる仕組みを作ってきました。
仕組みといっても、管理規約の中に「理事会制度はなし。理事長代行(管理者)は管理会社です」と書いてあるだけです。
さて、管理会社が理事長代行を行うことには、一定の合理性があります。
理事長代行料を別途取らない(管理会社としての本文である清掃や会計・設備点検などの委託料だけを受け取る)会社は多く、定額支出負担が少ないことは、管理会社を理事長代行として選ぶメリットといえます。
一方で、管理会社に理事長を代行する、ということは、管理組合が負担する様々な支出先と支出金額を管理会社が決めて執行することになるため、例えば大規模修繕工事の発注先や工事金額・工法・さらには工事の必要性に至るまで、すべて管理会社の判断に委ねることとなります。
もちろん多額の金額が動くような案件であれば、管理会社が理事等代行として総会を提案することになりますが、はなから所有するマンションの管理に興味関心のある所有者はものすごく少ないですから、よほどわかりやすい愚案でもなければ委任状が集まって可決されます。
理事長代行を管理会社へお願いする、ということは、大規模修繕工事を施工業者へ責任施工方式でお任せするのと非常に似ています。
つまり管理組合(マンション購入者)と管理会社との間で強固な信頼関係があり、管理組合がマンション管理を管理会社へ盲目的に依存しても安心できるかどうか、、、ここが、管理会社へ理事長代行をお願いする価値があるかどうかの分かれ目です。
残念ながら、新築時から管理会社が自動的に理事長代行になっているマンションでは、代行者である管理会社が、組合員が自分の資産について無知・無関心なのを良いことに最低限の管理しか行わず、20年、30年経って気づいたら修繕工事は行われていないのに、修繕積立金がほとんどなく、破綻状態のマンションが結構多いです。
理事長代行を考える理由が「理事のなり手がいない」という理由だけで管理会社へ理事長を委託すると、理事長になってもらえるので表面的には問題が解決したようにみえますが、組合員の労職負担が減っただけで、マンションの管理・運営が良くなっているわけではありません。建物や設備が維持できているわけでもありません。
大切なことは、管理会社にしても他者にしても、単にマンションの管理者(代表)に就任するのは最低限の手続きで、実際にマンション管理組合のために何をしてくれるか?何を期待するか?
そこをぜひ議論してから発注しましょう!
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マンション管理・修繕コンサルタント メルすみごこち事務所
《マンション管理の良し悪しが「住み心地」と「不動産価値」に影響を与える時代を創る》
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大阪都構想とマンション理事長代行(第三者管理)
で、当社がマンションの代表(理事長代行)として、管理者管理(第三者管理)を実現しているお話と、その想いを話しました。
先週末も東京都区部の投資マンション理事会から、理事長代行業務の内定を頂きました。単に理事長の名前貸しをする気はまったくなく、攻めのマンション管理を行うポリシーと、他マンションでの実例紹介がご評価につながりました。
当社が理事長を代行させていただく以上は、各部屋の賃料収入と入居率向上を目標に掲げて支援させていただきます。もう少し経験を積んだら、数字目標も掲げたいと考えています。
なんてったって、当社の管理者管理は[日産にカルロスゴーンが来てV字回復]を目指しています!
さてこの[理事長代行]、マンション住民の高齢化や賃貸化が進む管理組合・投資マンションやリゾートマンションのような[そもそも理組合員の多くがマンションに住んでいない]ような管理組合を想定し、ここのところ国土交通省が「管理者管理制度」(第三者管理、というほうが伝わりやすいかも)として検討・一般化を進めています。
そもそも理事長代行制度は、住民(組合員)が主体で住民が物事を決めるプロセスをやめ、執行部(理事長)そのものを外注する、新しい仕組み、と言えます。
そして、大切なことは、この[理事長の委託先]として、誰ができるのか?誰が適任か?という議論があります。
実はこの理事長代行制度、新しい仕組み、と書きましたが、ずいぶん前から「管理会社」が行っています。
ずいぶん前って、20年以上前からです!
投資マンションを中心に、投資目的(賃料収入や節税を目的)でマンションを購入した区分所有者は、そのほとんどが買ったマンションに居住しません。家賃が安定的に入ってくれば良い、と考え、特に建物が新しいうちは「管理」や「運営」「修繕」などにまったく興味・関心を示しません。
しかも投資マンションの購入者は全国に散らばっています。何しろ電話営業で物件を見たこともない、という購入者が多いのが投資ワンルームマンションの買い方です。全国各地に点在する購入者が東京の投資マンションに集まって理事会を開催する、なんてことは非現実的です。
そんな「買い手の状況」もあり、新築時から機能しない管理組合であることを前提に、不動産開発会社は管理会社と相談して、はじめから管理会社が理事長代行になる仕組みを作ってきました。
仕組みといっても、管理規約の中に「理事会制度はなし。理事長代行(管理者)は管理会社です」と書いてあるだけです。
さて、管理会社が理事長代行を行うことには、一定の合理性があります。
理事長代行料を別途取らない(管理会社としての本文である清掃や会計・設備点検などの委託料だけを受け取る)会社は多く、定額支出負担が少ないことは、管理会社を理事長代行として選ぶメリットといえます。
一方で、管理会社に理事長を代行する、ということは、管理組合が負担する様々な支出先と支出金額を管理会社が決めて執行することになるため、例えば大規模修繕工事の発注先や工事金額・工法・さらには工事の必要性に至るまで、すべて管理会社の判断に委ねることとなります。
もちろん多額の金額が動くような案件であれば、管理会社が理事等代行として総会を提案することになりますが、はなから所有するマンションの管理に興味関心のある所有者はものすごく少ないですから、よほどわかりやすい愚案でもなければ委任状が集まって可決されます。
理事長代行を管理会社へお願いする、ということは、大規模修繕工事を施工業者へ責任施工方式でお任せするのと非常に似ています。
つまり管理組合(マンション購入者)と管理会社との間で強固な信頼関係があり、管理組合がマンション管理を管理会社へ盲目的に依存しても安心できるかどうか、、、ここが、管理会社へ理事長代行をお願いする価値があるかどうかの分かれ目です。
残念ながら、新築時から管理会社が自動的に理事長代行になっているマンションでは、代行者である管理会社が、組合員が自分の資産について無知・無関心なのを良いことに最低限の管理しか行わず、20年、30年経って気づいたら修繕工事は行われていないのに、修繕積立金がほとんどなく、破綻状態のマンションが結構多いです。
理事長代行を考える理由が「理事のなり手がいない」という理由だけで管理会社へ理事長を委託すると、理事長になってもらえるので表面的には問題が解決したようにみえますが、組合員の労職負担が減っただけで、マンションの管理・運営が良くなっているわけではありません。建物や設備が維持できているわけでもありません。
大切なことは、管理会社にしても他者にしても、単にマンションの管理者(代表)に就任するのは最低限の手続きで、実際にマンション管理組合のために何をしてくれるか?何を期待するか?
そこをぜひ議論してから発注しましょう!
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《マンション管理の良し悪しが「住み心地」と「不動産価値」に影響を与える時代を創る》
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管理者ができるよう準備が必要になって来ますね。