マンション管理士にとって、有名人の記者会見は、自分が総会に出席するときの言動や発言・姿勢の参考に、とても生きた勉強になる。
管理士本人に質問が来ることもあるし、管理士が理事会に代わって回答をすることもあるからだ。
理事会を支えてきたマンション管理士の総会での受け答え一つで、理事会を守るのか、総会が荒れるのか、大きく変わってくることも多いからね。

ほとんどが台本をもって言い訳ばかりで心のこもらない頭を下げるダメダメな政治家の会見、その中でも橋下徹さんや山本太郎さんのようなダントツに素晴らしい会見、芸能人のグダグダな不倫会見、会社の経営者の謝罪会見、、、本当に学びがいっぱいある。

そんななか、手越祐也さんが行った、ジャニーズ事務所から独立をする記者会見をyoutubeで観た。


感想:素晴らしい。好感度があがった(イケメンだからかな)、若いのに凄い。引き込まれて全部見てしまった。

僕が見て、何が素晴らしかったというと、
  • 台本は一切読まず、全部自分の言葉で語っていた
  • 決して安易に謝らない。(日本人は心のこもっていない口だけの謝罪ばかり)
  • 誰の悪口も批判もせず、感謝の言葉で一貫していた
  • 一つ一つのトークがすべてポジティブに締めくられていた
  • 他人がどうだ、ではなく自分はこうだ、という発信の仕方をしていた
  • 記者からの質問にすべて丁寧に、相手の目を見て、笑顔で回答していた
手越祐也 緊急記者会見
意図したものか自然のものかはわからないが、決してクールなだけでなく、かといって決して感情的なだけでもなく、発言の中に論理と感動とがバランスよくちりばめていて、聞いている者を飽きさせない。

記者会見を通じて[すべての責任とリスクは自分が負うんだ]という姿勢が見て取れた。本当にカッコよかったし、母を思う気持ちは温かみを感じさせた。

あの記者会見を見た人全員が彼のファンになるんじゃないかな。僕も思わず彼の前途を応援したくなった。

僕が彼の年齢(32歳)では、とてもこのような立ち振る舞いはできなかったであろう。リスペクト。


僕はマンション理事長に「人前での説明を勉強すべきだ」なんて言うつもりはない。
たまたま輪番かつ抽選で理事長になった方が多いであろうし、ボランティアでやっているのだから。人前で話すのが苦手な方も多い。


でも、マンション管理士は違う。また管理会社のフロントマンもそうだが、理事会に代わって住民へ説明したり質疑回答したり、総会の『場・雰囲気』を上手にコントロールしてスムーズに進行させることを「報酬をもらって」やっているのだ。少なくとも僕はそう思っている。

もっとも、単に総会の場を上手に立ち回るば良いのではなく、総会の準備段階、つまり理事会の段階で誠実かつ芯の通った議論をして、自信を持って議案を検討しなければ、単に口先だけのテクニックでしかなく、見破られてしまうことは言うまでもない。

手越祐也さんの会見における言動は、記者会見の前から彼の生き方が一貫していたから、会見が一層際立ったのだ。


とにもかくにも、今回の会見は本当に良い学びになった。
ちょっと長いけれど、ぜひ見てほしいな。


深山 州(みやま しゅう)
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