（本田直之）

１．常にレバレッジを意識せよ

・従来の考え方は「労力・時間１に対して成果が１上がる」であり、成果を上げようと思うと莫大な労力・時間が必要となる。レバレッジ・シンキングでは、「労力・時間１に対して成果は無限大」にまで高めることが可能である。


・ビジネスでうまく行っている人は、スポーツ選手のように絶えずトレーニング（＝自己投資）を行っている。

・パーソナルキャピタル（＝自己資産）を高め、余った時間をこれらに再投資することで益々余裕時間を作ることができる。

・余裕時間を作ることだけしか考えないのではなく、成果が上がるから余裕時間ができるようになるのである。

・ゴールを明確に描く最大のメリットは、選択力が身につくことである。自分にとって何が大切であり、何が重要でないかがわかるようになるため、余計なことをしなくなり、労力・時間・お金のムダがなくなる。

・ゴールを明確に描けると、チャンスを得やすくなる。機会は誰にでも均等にあり、成功するかどうかは、チャンスを見つけられるかどうかにある。

・アクティブに行動せよ⇒テレビのような受身の行為を、必要な番組だけ録画して、その中でも必要な部分だけ見るようにする。


２．労力のレバレッジ

・無意識的に小事に取り組んでいるのは、意識的に大事に取り組まないのと同じことである。

・新しいことを始めようとする時、「先延ばしにしてしまう」という問題に直面する。「やろうか、やるまいか」と考えると結局やらなくなってしまう。

・そこで、どうしたらそんなことを考えなくても行動できるようになるのか、物事を続けられるのか、近道を見つけて進められるようになるのかを考える必要がある。


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・仕事や普段の生活の中で「うまくいった」ことを仕組み化（毎回うまくいくやり方を考える）すれば、いつでも誰でも簡単に再現することができる。仕組み化することで、毎回「ゼロ」から考えなくてもよくなり、少ない労力で成果を上げることができるようになる

・仕組み化とは、成功事例を共有し日々の業務に落とし込むことである。初め（落とし込むまで）は効率が上がらず余計な時間・労力がかかるが、仕組み化した瞬間に効率が上がり、結果として利益率があがることになり、先々継続してリターンを得られるようになる

・マニュアルの本来の目的は、一定の仕事レベルにまですべてのスタッフの能力を引き上げることであり、時間を短縮し最短ルートを通るためのツールである

・仕組み化（マニュアル化）できる部分は徹底的に仕組み化し、それ以外の部分に頭を使えるようにする。マニュアルというベースがあった上で、個々がマニュアルを超えた対応をしていくと良い

・仕組み化する上で重要なツールとなるのが逆算型チェックリストである。目的を定め、必要な仕事をチェックリストへ落とし込み、それにそれに沿って仕事をしていけば抜けがなくなるし、全体の業務ボリュームがわかるため、時間の節約につながるし誰かに仕事を頼む場合も（頼む範囲が明確なため）無駄がなくなる。このチェックリストがないと、作業の段取りが毎回変わったり、やるべきことが抜け落ちたりし非効率になる。

・チェックリストは仕事以外にも応用できる。例：出張や旅行時に持参するものリストなど。


�◆嵬軌媼渦宗�習慣化」

・うまくいっている人を見ると、良い行動を無意識に行っている。習慣化しているのである。

・習慣化という方法は、自分をコントロールするのが苦手な人や飽きっぽい人にはとても便利である。考えることなく習慣化することで自動的に体が動くようになる。歯磨きのようなものである。

・人の意思は強くなく、意識的な行動は続かないことが多い。「やるかやらないか」で悩んで結局やらないと、大きなストレスを抱えることになる。だから仕事でも役立つことは習慣化してしまい、何も考えずに続けられるようにすると便利である。

・大きな習慣化は小さな習慣の積み重ねでできる。小さな習慣化は心地良さ（＝成功体験）を実感させ、「よし、これもやってみよう」という気持ちになる。達成できる予感があれば、行動も起こしやすくなる。

・部屋の片付け程度でも良いので、身の回りにある「ちょっと面倒臭いと感じること」を少しずつ解決していくことで、面倒臭いことが面倒臭くなくなりイライラも抑えやすくなる。これは脳の中で「感情系」に対して「思考系」の支配力が強くなったことを意味する。これを繰り返し問題解決力を高めていく。

・習慣チェックリストを作ってみよう。

・習慣化を身につけるためには数字で管理することも重要である。数字を記録することで日々の達成感を味わい、ゴールまでの距離がわかるので継続のモチベーションが高まり習慣化しやすくなる。

・この習慣化による行動は、ある程度慣れてくると「無意識化」され、スピードは加速度的に上がってくる。


��ＫＳＦ（キー・サクセス・ファクター）

・効率が上がらず成果が上がらず時間がかかってしまう原因の一つは、「ポイントがずれている」ことにある。ずれたことを必至にやっても成果にはつながらない。

・仕事は成果を上げることが目的である。労力と時間を沢山使っても、成果を上げなければ評価されない。そこで、仕事に漫然と着手するのではなく、始める前に最短距離を考えて効率的に行動することが大切である。

・ＫＳＦに労力と時間をかけることで、「作業」よりも「結果」に集中でき、より大きな成果を上げることができる。

・ＫＳＦを見極め、そこに労力と時間を投資するということは、それ以外のことは切り捨てて一切やらない、ということでもある。その意味で、８０：２０の法則が当てはまる。つまり２０％の時間で成果の８０％を上げることができる。１００のやるべきことのうち、特に大切なことは２０程度なのである。その２０を全力で見極めることが大切である。

・仕事をするとき常にＫＳＦを意識する。日々の仕事に流されるのではなく、今やっている仕事のうちＫＳＦはどこにあるのかを考える時間に投資し、明確にしてから仕事をする。

・その他ＫＳＦを探す方法として、�〜偉磴鯆瓦戮覘△Δ泙�やっている先輩などに聞く��ビジネス書から学ぶ

・何かに取り組むとき、目の前のことだけに集中していると無駄な行動をしたり回り道をしてしまうことがある。そこで、ゴールまで俯瞰（高いところから見渡す）してみて、最短距離で到達するためには何をすべきか、どういうステップを踏んでいくのが良いのかを逆算思考で考える。


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・一つの物事をするときに、同時になにかできないかを考える。

・「自分はできる」と自己暗示をかけることが重要である。「できない」「無理」と思ったり、言葉に出したりすると、マイナスのレバレッジが働くものである。限界は世の中に存在せず、実は自分で作っているものであることを知る必要がある。

・どんなにマインドが高くても、体調が悪ければ普段の力を出せなくなるので、体調管理は大切である。例えば休日にゴロゴロ（仕事の疲れを取り戻そうとする）することは、却ってリズムを崩し休み明けにエンジンがかかり難くなるため、休日もいつもと同じリズムを保つことが重要である。
 

３．時間のレバレッジ

・まず我々が肝に銘じることは、「時間がないから成果が上がらないのではなく、時間に余裕があるから成果が上がらない」という事である。

・例えば夏休みの宿題のように、時間に余裕がないと人間は強烈なパワーを発揮する。

・知識労働社会では、時間を積み重ねるほどに成果が上がるといった仕事は殆どなく、実際はある程度以上は一定となる。

・短時間で成果を上げるということは、単に仕事のスピードを上げることではなく、成果を短時間で上げることである。

・いくら本を早く読んでも、十分に理解していなかったり実践に使えなかったら意味がない。じっくり読む部分もあれば読み捨てる（読まない）部分があっても良い。そして読んだことを実際に応用することで最大限のリターン（成果）を獲得できる。

・先に自由時間を作ることに専念せず、まずは投資することが時間を生み出すコツである。

・全体を俯瞰しないとすべてが大切な仕事のように思え、あれもこれもやらなければならない、というストレスの溜まる非効率な状態となる。しかも本当にやらなくても良い仕事が増えているにもかかわらず、本人はそれに気付かなくなる。

・カレンダーは全体を俯瞰するのに良いツールである。

・選択力は知識労働社会では必要な力であり、これを身につけるためには時間制限をつけなければならない。例えば資料作りでは締切（リミット）を設定しないと永遠に仕事は続くことになる。レイアウトやデザインに凝る・写真や図表を入れるなどの作業を追加していくことにより、時間はどんどん流れていく。これは選択しない仕事のやり方である。

・時間のルーチン化（時間割）により、次に何をやろうかと雑念が入らないため集中力が増し、常に平常心で自分の力を発揮できるベースを作ることができる。時間割を作ることで「これから何をしようか」と考える無駄から開放される。

・時間割を作る＝２４時間をどのように配分するか、例えば勉強に○時間、家族との時間に○時間、、、という発想になり、「この仕事を終えるのに○時間」という考え方から「○時間で仕事を終えるには」という発想に変わる。逆を言えば、時間割なしでは毎日の出来事に流されていってしまう。

・時間割をある程度やってみたら、時間の使い方をレビュー（分析）することで、意味のない時間帯を見つけることができ、これをやめることができるようになる。

・自己投資の時間を先にブロックし確実に確保しないと、仕事に時間を取られてしまう。先に時間を取っておくことで、残った仕事時間をどう活用するかの選択力がつき、さら効率良く成果を上げることができる。

・タスク（やるべきこと）には時間制限を設ける。１２時間あると思うと何から始めようと悩むような場合でも、２時間しかないとなると、「最低限これだけはやらなければならない」ということを強制的に判断し、時間に対しレバレッジをかけざるを得なくなる。

・時間の固定費を削ろう⇒固定費とは、ルーチンワーク、定時ミーティング、通勤、食事、睡眠、コンピュータ入力や検索の時間など。固定費を下げれば損益分岐点も下がる。

・睡眠、食事、通勤時間は削ることはできないが、同時に他のことを実行することで効率を上げよう。（例：睡眠→暗記、食事→誰かと一緒、通勤→読書やパソコン）


４．知識のレバレッジ

・０から１は「発明」であり莫大な労力と時間がかかる。基本は「１から１００を生む」であり、すでにあるものの質を高めたり付加価値をつけることを言う。

・「一人前」になるまでの時間短縮する努力により、成長スピードを上げることができる。

・多くの成功者が前例から学ぶ理由は、現状からゴールまで俯瞰してみた場合に多くのやるべきことがあり、限られた時間の中で成果を上げるには他者から学ぶのが一番良い、と言うことを知っているからである。

・積み上げ方で仕事をしていくと時間に限りがあることに気付きにくく、近道をしようという発想も生まれない。毎日「今日はこれをやろう」と考えて仕事する人が多い。

・まじめで賢い人は、他人のやり方を参考にすることを「潔し」としない。人真似に抵抗があり自分なりのやり方で努力してしまう。そのためどうしても労力と時間の割りに得られる成果が少なくなってしまうのである。

・前例として誰かから学ぶ場合、自分に似たタイプの人のやり方を参考にすると良い。


・本を効果的に「読む」方法（レバレッジ・リーディング）

�，泙困亘椶梁舅箸鮹里襤�本文を読む前に、本全体をざっと眺め、著者プロフィール、カバーのソデ、前書き、目次、あとがきを見る。→今の自分にとって重要でない部分は飛ばして読めるので効率的になる。

�∨槓犬鯑匹燿�重要なところはチェック→読んでいて浮かんだアイデアは余白に書き込む（自分ならどうするかをシミュレーションしながら読むと閃く）

��ノートを作る→チェックした部分をパソコン入力し、プリントアウトし持ち出す（重要な点のみが詰まったレバレッジノートとなる）

�い舛腓辰箸靴殖押腺格�の空き時間に読めるようにする

・読むことが重要なのではなく、情報をどう活用するかが大切。行動することで知識がブラッシュアプされ選択肢も増えてくるようになる。