※2020年6月25日に更新しました。
前回コラム「イニシア千住曙町とブラウシアの管理組合運営上の共通点(1)」で書いたように、両マンションの運営形態はかなり異なるが、とても大切な「根幹」の部分、

「理事長の仕事(や作業)を減らし、他の理事(組合員)へ割り振られている(シェアしている)」
「組織力が優れている」

が共通していることを書いた。


仲間から作るか、箱からつくるか

ブラウシアもイニシア千住曙町も、理事会運営を共にする「仲間」がいて、理事長に仕事が集中しすぎないように考慮し、その分を他の理事や組合員へ上手に割り振られている点は同じだ。

しかし、今日の秀逸な組織が出来上がるまでに至ったプロセスは、僕が見た限り「全く」違う。



仲間の集まりが最初で、後から箱(仕組み)ができたブラウシア
ブラウシア マンション管理士
ブラウシア管理組合は、僕がコンサルタントとして支援に入った当初、理事会としての強い組織力はなかった。理事の任期は1年で、通常総会が終われば全員入れ替わりだったし、新旧役員間の引き継ぎもほとんどなし。当時の管理会社のアドバイスも限定的で、強烈なリーダーシップ(個性)を持った理事はいない。

一方で、リーダーがいない代わりに、理事同士の会話がしやすいような「雰囲気」はあった。全員が「気持ちの上で横並び・平等で話しやすい」という感覚だ。

「これは、上手に火が付けば横のつながりは発展しそうだな」という感覚は当時からあった。

そして、当時の管理会社を変更したり、共用部分の備品を自分たちで考えて買い足したり、新たな備品を購入したり、居住者イベントを自分たちの力でカスタムしていくうちに「自分たちでマンションの管理を変更・改善できるんだ」「皆で力を合わせば達成できる」という成功体験を積み重ねるていき、理事長や副理事長を中心とした理事同士の絆が深まっていった。

しかし、管理規約に「理事の任期や1年で、全員が入れ替わる」というルールがある限り、理事会が積み上げてきた「成功体験」「仲間」「継続性」が全部切れてしまうリスクが残っていた。

そこで、当時の管理会社を変更するプロセスの中で、理事の任期を2年、毎年の総会で半数ずつ入れ替わるルール改定を行った。成功体験を積み上げた理事のなかで、積極的に2年目を引き受けてくれる方が何人も手を挙げてくれたのが良かった。

そして、事情があって理事を継続できないが、培ったノウハウや過去の出来事を伝えるなどして「力は貸したい」と考える退任理事のために、オブザーバーとして気軽に参加できるルールを作ることで、初めて理事になった方を支える仕組みができた。

そして、次に理事の皆さんが考えたのは、

「これだけの人数(約20名)」が仕事を分担できれば、もっと効率的に運営ができる」

ここで、組織作りに着手したのだ。


そこで、理事会役員を、役割の異なる4つのワーキンググループに分け、それぞれに1年目理事、2年目理事を分散配置し、分業するルールを、このタイミングで整理して作ったのだ。

・理事会運営全般・管理会社とのやり取り・対外的な対応を行うグループ
・建物や設備の修繕・営繕を担当するグループ
・ルールやマナー・広報を担当するグループ
・住民間コミュニティ(イベント含む)を担当するグループ

これらのグループそれぞれに、就任2年目の先輩理事、1年目の後輩理事とが配置され、さらにオブザーバーが助っ人に加わることもできることで、陸上のリレーで言えば個々のワーキンググループ間でバトンが渡される仕組みができあがった。

そして、仕組みが出来上がるとともに「理事長の仕事(や作業)が減り、他の理事へ上手に割り振られる(シェアする)」ようになっていった。


理事会は、今では強固なチームになっているが、当初から振り返ってみると、

「最初に仲間ができ、後から仕組み(箱)ができた」

というのが、ブラウシアの強固な組織力が出来上がったプロセスである。



一方で、イニシア千住曙町管理組合法人の組織作りが出来上がるプロセスは、全く異なる。これがまた面白い。


深山 州(みやま しゅう)
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