※2020年6月25日に更新しました。
8月31日に、イニシア千住曙町管理組合法人の「理事会・住民間の合意形成」の取り組みが、nhk「クローズアップ現代+」で放映された。
イニシア千住曙町 マンション管理士

また、9月6日には、ブラウシア管理組合の「資産価値を守り高めるための理事会活動」の取り組みが、テレビ東京「ガイアの夜明け」で放映された。

メルすみごこち事務所_マンション管理コンサルタント_ブラウシア


両マンションとも、マンション管理士として、5年ほど前にお問い合わせいただき、理事会アドバイザー(年間顧問契約)として採用してもらって、今日に至っている。


当社の「管理の良いマンションの住み心地と不動産価値とを高める」というビジョンに基づき、様々な提案を行ってきた。今ではもう我々の出番がない(必要ない)くらい、理事会が主体的に生き生きと活動し、管理会社と上手に連携して、管理組合運営というソフト面では日本でも図抜けたマンションになっている。

そんな両マンション。
運営形態はかなり違うが、とても大切な「根幹」の部分は見事に共通している。


共通点の一つ目は「理事長の仕事(や作業)を減らし、他の理事(組合員)へ割り振られている(シェアしている)」ということである。

多くの管理組合では、(これは、世の管理会社やマンション管理士のアドバイス不足が原因なのだが)どうしても理事長にすべての責任と負担、そして膨大な「作業的な仕事」が集中してしまう。

特に大規模なマンションでは、人の数が増える分だけ居住者間のトラブルが増え、規模が大きくなる分だけ執行予算が増え、設備が増えるほど修繕工事案件が増え、将来に向けた課題も増える。
でも、規模が大きくなっても理事長は一人。

また、法律的には、理事長に全責任と多くの権限が集中する仕組みになっているため、管理会社はなんでもかんでも理事長に報告したり許可を求めてくる。20名の理事がいても、理事長と管理会社だけが把握している情報がかなり多いのが世のマンション管理組合だ。

当然ながら、他の19名の理事は、ただでさえ面倒臭そうで関心の薄い理事会役員の仕事だから、マンション管理の情報が入ってこなければ、ますます関心が低下して、理事長と管理会社へ丸投げすることで、理事長へ責任と負担がますます集中するのだ。

数年前に書いたコラム「理事会役員で一番楽な役職は「副理事長」だ」が、いまだに閲覧者が多いことからも、殆どのマンションでは、理事長と副理事長(その他の理事)の間には、圧倒的な負担や責任の違いがあるものだ。

要は、殆どの管理組合は「組織」の体をなしていないのだ。一人のボランティア理事長の力量や性格に頼る現状が非常に脆弱な組織力を生み出しているのである。

この点において「理事長の仕事を減らし、他の理事(組合員)の仕事へ割り振っている(シェアしている)」イニシア千住曙町とブラウシアは全然違う。
組織づくりが違うのだ。
理事長に過度な負担をさせず、他の理事やオブザーバーなどの組合員が助ける仕組みがあるのだ。

もちろん、両マンションとも、最初は皆さんのマンションと同じだった。そこを改革するかしないかで、運営が大きく変わる。

逆を言えば、皆さんのマンションも、イニシア千住曙町やブラウシアのようになれるのだ。


深山 州(みやま しゅう)
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